次の「地震」被害を減らすために
いま見直したい 自宅と外出時の対策

研究員 河田慈人さん
研究員
河田慈人さん

 6月18日の朝、最大震度6弱の強い揺れが大阪府北部を襲いました。大きな被害が出るとともに、通勤・通学をはじめ、さまざまな課題が浮かび上がりました。いま改めて見直しておきたい自宅と外出時の対策について、阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター(神戸市中央区)の研究員・河田慈人(やすひと)さん(31)に聞きました。

 

通勤・通学は安全を優先

 通勤・通学で家を出る前に地震が起きた場合は安全を最優先。無理して出かけることは混乱を助長することにもなり、会社・学校なども安全優先の考え方にすべきだ。通勤・通学途中に被災した場合は最寄りの避難所を頼ることになる。普段から途上の情報収集も必要。会社や学校で被災した時は、家族の安否が確認できない場合を除き、すぐに帰ろうとせず、交通機関の復旧を待つほうが安全だ。

 

安否確認はメールや「LINE」を活用

イラスト1 安否確認は、メールや「LINE」などの通信アプリの活用を。「大丈夫」というスタンプやメッセージの一つだけでも良いので、すぐに連絡しよう。一人だけでなく、複数人に連絡すると情報が共有できる。

 

家庭で必要な物を話し合う

イラスト2 自宅では非常用の荷物を事前に用意しよう。家庭によって必要な物は異なる。例えば、乳幼児がいる家庭では、離乳食やおしりふきシートなどが必需品だ。もしもの時に、我が家には何が必要になるのかを、家族みんなで話し合うことが重要だ。

 

通学路の危険をチェック

 高槻市の小学校ブロック塀が倒壊し、小学生が犠牲になった。保護者が子どもと一緒に通学路を歩き、危険なところなどを再点検したい。ブロック塀の他にも、看板や自動販売機なども落下や飛来の危険性がある。歩道では、壁から離れて歩くようにする。ただ、幅の狭い歩道の場合は、壁から離れることで車道に近づきすぎてしまう危険性もあるので注意が必要だ。

 

避難所は複数箇所決めておく

イラスト3 避難所には安全確保以外に、家族との待ち合わせや帰宅困難時の休憩所としての役割もある。万が一の時に悩まないように、事前に避難所は複数確認しておこう。




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カテゴリ: ライフ&アート