2012年にパリで初演され、フランス最高位の演劇賞であるモリエール賞最優秀脚本賞やトニー賞などを受賞した舞台「Le Père 父」が3月16日(土)17日(日)、兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演される。
認知症の父親と、その父に翻弄(ほんろう)される娘を描く話題作。日本初上演となる今回は父親を橋爪功、娘を若村麻由美が演じ、父親の視点で観客が物語を体験する手法で物語が進む。少しずつ記憶が混乱していく父を前にした娘の葛藤に挑む若村。「父の記憶の断片をつなぎ合わせた、まるでアートのような演劇だと感じました。観客に推理させる部分もあり、上質なヒューマンミステリーのような作品です」と話す。
2人の周囲にも今井朋彦、吉見一豊、元宝塚トップスター・壮一帆、太田緑ロランスら名優がそろう。急速に高齢化が進む日本。若村は今作を「きっと誰にとっても身近な話」と語る。「家族の介護や認知症については世界共通の課題で、簡単に答えが出るテーマではありませんが、この作品なりの“救い”を感じていただきたいです」
7千円(全席指定)。TEL:0798-68-0255、芸術文化センターチケットオフィスへ(受け付け10〜17時、月曜休み)。