「音楽を聞かせて野菜を育てるとおいしくなる⁉」というニュースを耳にしたことがありますか? そんな話に触発されたのかどうか、豊中市に本拠を置く日本センチュリー交響楽団が前代未聞のユニークなプロジェクトを進めている。お酒に聴かせるための楽曲をつくり、オーケストラが演奏したその曲を聴かせながらお酒を仕込む。その酒は果たしてどんな味になるのだろうか?
進行中のプロジェクトは、日本センチュリー交響楽団×「獺祭(だっさい)」×オンキヨー 共同制作プロジェクト「交響曲 獺祭 ~磨 migaki~五感で味わうコンサート」。日本センチュリー交響楽団のホームページに、このほど特設サイトが開設された。
「交響曲 獺祭 ~磨 migaki~」特設サイトはコチラ https://dassai-migaki.jp/
このプロジェクトは「オーケストラが発信する面白い企画を、うちの楽団で最初にやりたい」と東奔西走する楽団の事業部長 兼 営業戦略室長でアイデアマンの小田弦也さんが発案。昨年5月に「獺祭」の製造元である旭酒造(山口県岩国市)の桜井博志会長を訪ねて「面白そうだね。やりましょう!」との返事をもらったという。
帰路の新幹線で楽団長が、首席指揮者の飯森範親さんに報告の電話を入れ「早速、作曲家の和田薫さん(山口県出身)に楽曲を委嘱しなくては」と伝えると、飯森さんは「実は今、和田さんと一緒なんだよ!」。その場で依頼することができたという。小田さんは「本当に不思議な縁で、スムーズに話が進んでいきました」と感慨深げ。
和田さんが作る新曲のタイトル「交響曲 獺祭 ~磨 migaki~」は、旭酒造の桜井会長が命名。今年2月に山口県で行われた記者会見で、プロジェクトが正式にスタートした。
お酒に音楽を聴かせるシステムは、楽団のオフィシャルスポンサー企業でもあるオンキヨーが協力。夏前からテストを重ねて発酵中の樽に最適な条件で音楽を聴かせる加振器「Vibtone」と専用開発したアンプを使った「獺祭 ~磨 migaki~」の仕込みが、11月18日からスタートした。その様子は旭酒造とオンキヨー、それぞれのWEBサイトでも報告されている。
旭酒造のWEBサイトはコチラ http://www.asahishuzo.ne.jp/news/blog/004689.html
オンキヨーのWEBサイトはコチラ https://onkyo.com/news/images/20201125_projectDassai.pdf
お酒が完成するのは12月下旬~来年1月初旬だそうだが、この後、日本センチュリー交響楽団は2021年2月27日(土)14時から豊中市立文化芸術センター大ホールで、「交響曲 獺祭 ~磨 migaki~」を世界初演するコンサートを開催。翌28日(日)には、13時(山口初演)と17時の2回、周南市文化会館で演奏する。
【プログラム】
和田 薫:祝響~日本センチュリー交響楽団のためのファンファーレ~
ベートーヴェン:交響曲 第6番「田園」
和田 薫:交響曲 獺祭 ~磨 migaki~ (委嘱作品、世界初演)
第1楽章 獺越 -OSOGOE-
第2楽章 発酵 -FERMENTATION-
第3楽章 酔心 -YOIGOKORO-
第4楽章 熟成 -AGING-
第5楽章 その先へ -BEYOND-
【料金】S席8,500円、A席5,500円(両会場共通、税込み)
【S席スペシャル特典】「獺祭 ~磨 migaki~」300mlボトル(非売品)と「交響曲 獺祭 ~磨 migaki~」CD付き ※お酒のプレゼントは20歳以上の人に限る
両会場とも開演20分前から指揮者の飯森さん、作曲家の和田さん、旭酒造の桜井会長によるプレトークを実施する予定だ。
なお、特別仕込みの「交響曲 獺祭 ~磨 migaki~」は一般には販売せず、両会場に設けられる特設販売所でのみ720mlボトルを販売する(公演チケットを持たない人は入場不可)。どんな味のお酒ができ上がっているか、気になる人はぜひコンサートのチケットを買って確かめてほしい。