大阪の4つのオーケストラの2022年度シーズンプログラムの共同記者発表会が昨年11月、豊中市の服部緑地公園内にあるセンチュリー・オーケストラハウスで開かれた。
関西フィルハーモニー管弦楽団、大阪交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、日本センチュリー交響楽団は、2015年4月の大阪国際フェスティバルの合同演奏会をきっかけに、大阪4大オーケストラ活性化協議会を結成。月に一度の会合などで親睦を深め、交流を続けている。共同記者発表は今回が4回目。
【大阪4オケの2022年4月-23年3月シーズンの概要】
■大阪交響楽団は4月から山下一史が常任指揮者に
「堺市及び南大阪地域に根差したオーケストラ」を旗印とする大阪交響楽団は、4月から常任指揮者に山下一史、ミュージックパートナーに柴田真郁、首席客演指揮者に髙橋直史を迎える。「山下さんはじめ3人は、オペラに精通した“歌心のある”指揮者。ザ・シンフォニーホールでの定期演奏会で持ち味を発揮できるプログラムを用意した」と赤穂正秀事務局長。
山下の就任記念は5/13(金)の第255回。「英雄とは」をテーマに、ソプラノの石橋栄実を迎えて、ワーグナー「ジークフリート牧歌」、R.シュトラウス「4つの最後の歌」と交響詩「英雄の生涯」を披露する。
柴田の就任記念は23年2/5(日)の第261回。ドヴォルザークの歌劇「ルサルカ」を演奏会形式で届ける。今後シーズンに1回は演奏会形式のオペラに取り組んでいくという。
髙橋の就任記念は9/2(金)の第258回。「音楽と文学」をテーマに、ソプラノの並河寿美を迎えてシェーンベルク「6つの歌」、シューマンの交響曲第1番「春」ほかを演奏。今後も「音楽と〇〇」と銘打つシリーズを続けるという。
2020年度から名誉指揮者の外山雄三は1931年生まれ。日本の現役最高齢の指揮者だが、年1回は定期演奏会でタクトをふるという。6/29(水)の第256回は、ウィーン・フィル首席奏者のタマーシュ・ヴァルガを迎えてハイドンのチェロ協奏曲第2番とシューベルトの交響曲第9番「ザ・グレイト」を届ける。
昨年の開催が延期された「卒寿 外山雄三&レジェンド」は4/23(土)14時からザ・シンフォニーホールで開演予定だ。
■大阪フィルハーモニー交響楽団は海外勢に熱視線
フェスティバルホールを会場に、各回2公演の定期演奏会を開く大阪フィルハーモニー交響楽団は創立75周年。楽団と同年齢の音楽監督、尾高忠明を迎えて5シーズン目を迎える。昨秋、旭日小綬章を受章した尾高は、幕開け4月の第557回、9月の第561回、23年1月の第564回に登場。4月はエルガーの交響曲第2番、9月はオール・ワーグナー・プログラム、1月はブルックナーの交響曲第7番など自身の得意な曲を取り上げる。4月のソリスト、アンヌ・ケフェレックはベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を、9月はメゾ・ソプラノの池田香織がヴェーゼンドンク歌曲集を披露する。
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顔ぶれと主な曲は〇5月:シャルル・デュトワがストラヴィンスキーのバレエ「ペトルーシュカ」(1911年版)〇6月:ロバート・トレヴィーノがブラームスの交響曲第2番〇7月:ユベール・スダーンがブラームス(シェーンベルク編)のピアノ四重奏第1番(管弦楽版)〇10月:ミシェル・タバシュニクがチャイコフスキーの交響曲第4番〇12月:エリアス・グランディがマーラーの交響曲第1番「巨人」〇23年2月:デイヴィッド・レイランドがリムスキー=コルサコフ交響組曲「シェエラザード」〇3月:カーチュン・ウォンがベルリオーズ幻想交響曲。
「まだ収束していないコロナの影響による混乱をできる限り避けるために、1回券のチケットは演奏会直前の1カ月前からの発売としました。また公演当日に、25歳以下の人を対象に1,000円で鑑賞できる学生券(3階席・要学生証)を用意しています」
大阪フィルハーモニー交響楽団公式ホームページ https://www.osaka-phil.com/
(後編②へ続く)