大阪市が公募した「新今宮」の地域発展事業に採用された「OMO7(おもせぶん)大阪 by 星野リゾート」(大阪市浪速区)が4月22日に開業した。
「OMO」は、ホテル運営に特化した事業で業績を伸ばす星野リゾートが全国で展開する都市ホテルブランド。コンセプトは「寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市ホテル」。OMOの次の数字は、そのホテルで提供するサービスの幅を表わしており、7はその最上級で一つの都市に1施設しか設けないという。
内覧会で星野佳路(よしはる)代表は「新今宮という場所は、観光客にとってアクセス良好な一等地。関西各方面に足を延ばせる6つの鉄道路線があり、関西空港にも直結。通天閣や新世界など大阪のディープな地域文化を楽しめる場所で、大阪の“観光”を新しくしていくポテンシャルがある」と強調した。
目指すのは「なにわラグジュアリーな大阪No.1ホテル」。
なにわラグジュアリーとは、洗練された空間とサービスが織りなす「上質で贅沢な時間」と、大阪ならではの「笑いとおせっかいのおもてなし精神」をかけあわせることで生み出される体験と説明。
中村友樹総支配人は、それを実現する5つのポイントを次のように挙げた。
①広大な緑地「みやぐりん」と大阪の銭湯文化を感じられる「湯屋」
約7,600㎡のガーデンエリア「みやぐりん」は大きな芝生広場と段になったデッキテラスが散策路でつながり周遊できる。宿泊者でなくても利用できるカフェテリア「OMOカフェ&バル」でテイクアウトしたメニューを青空の下で楽しむのもOK。
「湯屋」は宿泊者限定の温浴施設。ホテル棟とは別棟に設けることで、宿泊者が大阪の銭湯文化を味わえるという。外観は大大阪時代をイメージし、湯屋の入り口に向かって左の明るく華やかなグレーが女湯棟、右のダークなグレーが男湯棟。色合いで光と影を意識したという。
②「いどばたスイート」など個性的な全8タイプの客室
ホテルだが、客室入り口で靴を脱いで部屋に入る造り。和紙材の畳が敷かれた室内は足裏に心地よい。ファブリックは和菓子の色合いを意識したという。
各階の角部屋「コーナーツインルーム」(1室1泊2食付き63,000円~/2人利用時)は約35㎡。窓から通天閣が望める部屋もあり、最大3人宿泊できる。
他にも、2段ベッドのようになった「だんだんルーム」、キッチン付きの「OMOハウス」などもある。
③大阪の食文化に独自のアレンジを加えた「食」
夕食は「大阪の食の本質を表現する」をテーマに、2種類のディナーコース(全8品)を用意している。
「Naniwa Neo Classic(なにわネオクラシック)」は箱寿司や船場汁などの郷土料理を華やかにアレンジしたフランス料理。
4種類のサラダの層を重ねた前菜と、最後のフルーツ&スイーツに箱寿司をアレンジして美しく盛り付け。割鮮はてっさで、ネギのアイスクリームやビーツのピューレ、泡に仕立てたいり酒で食べる新趣向。ウナギの頭・半助をおしゃれに変身させるなど、大阪の「始末の精神」も随所に取り入れている。
「Naniwa KUSHI Cuisine(なにわ串キュイジーヌ)は、コース料理のすべてに串を使ったアレンジを施す。
前菜は一つずつ異なる味付けで楽しめる5種類の串カツ。ガーデンエリア「みやぐりん」にチョウが舞い降りたイメージのサラダは、料理を運ぶ際の蓋(クロッシュ)にお好み焼きに使う蓋を使用。蓋を取った瞬間に「わぁ、きれい!」と歓声が上がりそう。添付の串からアスパラベーコンを抜いて中に入れ、底に敷かれたシーザードレッシングをかき混ぜるとシーザーサラダに変身する。
④やりたいことを発見できる「OMOベース」
2階は全長約85mの開放的な「OMOベース」。エントランス部分の壁にある幅6m×高さ4 mの「ドでかOSAKAボード」の下部分に、OMOレンジャーのスタッフたちが足で集めた店情報などを記した「ご近所マップ」がある。
街の魅力がとことん楽しめる「ご近所アクティビティ」はOMOレンジャーがガイドする。
徒歩15分にある大阪木津卸売市場を訪ねて、大阪のだし文化を学ぶ「ええだし出てますわツアー」など、宿泊中に参加可能なツアーや、ご近所さんとスタッフの掛け合いで楽しむ「『なにわ』ってなんやねん講座」などの案内も。
⑤宿泊者限定・大阪をテーマにしたネオンアートで彩る「PIKAPIKA NIGHT」
トラやフグなど大阪らしいアイコンのネオンアートで飾られた「みやぐりん」で楽しめる宿泊者限定イベント「PIKAPIKA NIGHT」が20~22時に楽しめる=6月30日(木)まで。
湯上がりタイムにご近所の「会津屋本店」のたこ焼きと地元のクラフトビールを振る舞う「湯上がりご近所スタンド」。アナログレコードをかけて楽しむ「なにわレコードミュージック」。散策時に手にできるカラフルな手提げ提灯「ぴかぴか提灯」。
毎日21時50分からの10分間は、ホテルを覆う5265枚の白い外装膜に約13,000個のLEDの演出照明を当てて、ちょっと変わった花火「PIKAPIKA ファイアワークス」を打ち上げる。