スイスの科学領事館 大阪・梅田にオープン
万博に向けて関西の技術とオープンな気風に期待

日本との科学分野でのパートナーシップを進めようと、スイスは同国にとって日本初の科学領事館となる「在大阪スイス領事館」を9月30日、大阪・梅田に開設した。開所式にはスイス教育・研究・イノベーション庁のマルティナ・ヒラヤマ長官も駆けつけ、2025年大阪・関西万博に向けて国際交流の機運が高まる大阪での活動強化に意欲を見せた。

開所式に出席したメスナー在大阪総領事、ヒラヤマ長官、バオム駐日スイス大使(写真左から)

科学研究を国の柱の一つに位置づけ、世界的企業や研究機関が数多く立地するスイス。日本とは約160年にわたる経済・文化的関係があり、経済投資も相互に活発に行われている。医薬、バイオテクノロジー、生命工学、電池、再生可能エネルギーなどの企業や、有力な大学や研究機関が集積する大阪・関西エリアの地域性に着目し、東京の大使館に次ぐ活動拠点を設けることになった。公的機関スイスネックスと連携。関西企業とのビジネスマッチングや学生のインターンシップなどを進める。

4足歩行ロボット「ANYmal」を前に笑顔を見せるメスナー在大阪総領事、ヒラヤマ長官、バオム駐日スイス大使(写真左から)

開所式でアンドレアス・バオム駐日スイス大使は「世界に山積する課題解決を図るうえで日本はアジアにおける最も重要なパートナー。大阪の皆様と豊かで健康的な取り組みを進めていきたい」と挨拶。ヒラヤマ長官は「大阪は日本で最も革新的な土地で、人々のオープンな気風はイノベーション(革新)を生み出します。新しい道を切り開いていきたい」と述べた。フェリックス・メスナー在大阪スイス領事は「大阪、京都、神戸にはトップクラスの大学と研究設備が揃っています。AIやロボットなど、未来を開く私たちと積極的につながってください」と話した。

スイスの科学技術を感じさせる展示もある

スイスと日本の研究者、スタートアップ企業の協働事例として、自立式巡回点検4足歩行ロボット「ANYmal」のデモンストレーションがあった。ステージに臨時に設置された計器を巧みに読み取って動くと、関係者は興味深そうに見入っていた。また、2025年大阪・関西万博にスイスが出展するパビリオンについても説明があり、生命、地球、オーグメンテッド・ヒューマン(人間拡張)」をテーマにしたパビリオンの建設準備が進んでいることも発表された。万博期間中は科学領事館で会場と連携した企画も検討している。

スイスの科学領事館はボストン、サンフランシスコ(米国)、バンガロール(インド)、リオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)、上海(中国)などに設置されている。




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