奈良市観光協会は冬から春に向かう奈良市内のまち歩きを楽しんでもらおうと「路地ぶら ならまち・きたまち 2025」を2月28日(金)まで開催している。江戸時代からの家並みが残る市中心部のならまち、きたまち地区で、寺社の特別御朱印や特産のイチゴを使った期間限定スイーツが用意されている。

昨年は延べ1万人が参加し、そのうち約3割が首都圏からの訪問だったという人気企画の第2弾。毎年好評の特別御朱印は、世界遺産の真言律宗元興寺のほか、十輪院、般若寺、御霊神社、崇道天皇社の5カ所で用意されている。いずれも普段の御朱印に、「古くて新しい奈良の意匠」をコンセプトに作成したオリジナルの押し印を加えて授与。押し印は、元興寺は日本最古とされる瓦、般若寺は秋に境内に咲くコスモスなど、各寺社の特徴を取り入れてある。境内の灯籠に細工されたカタツムリが押し印のモチーフになっている崇道天皇社・藤井秀紀宮司は、「ならまちは一つ路地を入れば千年を超える社寺や国宝があります。歴史文化とグルメと一緒に楽しんでほしい」と話す。

また、2月中の土日には、ならまち、きたまち地区の9カ寺を案内付きで拝観できる。いずれも12時半~16時15分に受け付けを済ませると、なら・観光ボランティアガイドの会「朱雀」のスタッフが地域で大切に守られてきた寺宝をわかりやすく解説。対象寺院の一つ、興善寺では1962年に胎内から源空(法然)の消息(文書)が見つかって話題となった阿弥陀如来立像(重要文化財)を見られる貴重な機会となっている。興善寺の森田康友住職は「奈良は何度訪れていただいても発見があります。こんなところに素晴らしいものが受け継がれていることを知っていただければ」と期待する。

特産のイチゴを使ったスイーツは「奈良いちごまみれ!」と題して、奈良市内の11店舗でフェアを実施中。茶樂茶 SARASAでは「奈良いちごの濃厚抹茶フォンデュ」と名付け、県産イチゴ「あすかルビー」と大和茶のカステラ、大和茶のアイスクリームなど9点をカラフルに小箱に詰め合わせ、独自にブレンドした抹茶とともに提供している。他の店にもパフェ、サンデー、ジェラート、ういろうなどイチゴを様々な形で楽しめるメニューがそろう。奈良市観光協会の髙橋一専務理事は「奈良公園を少し離れると、落ち着きのある静かなまちが広がり、古くて新しい奈良の旅をお楽しみいただけます。多くの方に足を運んでいただきたいですね」と話している。
奈良市観光協会 https://narashikanko.or.jp/fuyunara/