世界のオルガニストが再びいずみホールへ 「バッハ・オルガン作品演奏会」アンコール企画がスタート

クラシック音楽専用ホール「いずみホール」では、12年間にわたって開かれた「バッハ・オルガン作品演奏会」の2つのシリーズのアンコール企画がスタートします。3月の記者発表で、芸術監督を務めるクリストフ・ヴォルフさんが企画についての意気込みを語りました。

 

芸術監督を務めるクリストフ・ヴォルフさん

 いずみホールでは、バッハ研究の最高機関であるバッハ・アルヒーフ・ライプツィヒと共同で企画した「バッハ・オルガン作品連続演奏会」(2007~12年、全10回)と「バッハ・オルガン作品全曲演奏会」(12~19年、全14回)を開催。腕利きのオルガニストが世界各国から登場し、コンサートは回を重ねるごとに注目を集め、ヨーロッパのコンサートを上回る人気を誇るコンサートになった。3月21日(木・祝)に開かれたシリーズの最終回は満席・完売で幕を閉じた。

 「ヨーロッパでは教会が生活の中にありふれているため、どこかでオルガンが鳴っていても特に気にしません。しかし、日本ではオルガンは非日常の特殊な楽器ですので、日本人の皆さんに好奇心を持っていただいたのだと思います」とクリストフ・ヴォルフさんは振り返る。

 「このシリーズを継続してい欲しい」「もっとバッハの音楽を届けて欲しい」というお客様からのリクエストに応え、2年かけてアンコール公演を開く。アンコール企画開催に向け、年間パスポート(通し券)購入者を対象に、「2つの演奏会シリーズに登場した22人のオルガニストの中から再演を希望する人は?」とアンケートを実施。その結果を参考に、4人のオルガニストが登場する。

 初回の8月29日(木)に出演するのは、ドイツを代表するオルガニストのアルフィート・ガスト。コンサート・オルガニストとして伝統あるリューベックの聖ヤコビ教会のオルガニストを務めるほか、世界各国で演奏活動を繰り広げている名手だ。

 プログラムの前半は、バッハのオルガン曲の中でも最高峰と言われている作品集「クラヴィーア練習曲集第3巻」からの作品で構成され、後半は、バッハに影響を受けた作曲家の作品を選んだ。「オルガン作品はバッハで終わったのではないということを知ってほしかったので、“バッハ以降の作曲家”を意識してプログラムを組んだ」とヴォルフさんが話すように、日本人作曲家の西村朗による現代作品、ドイツ・ロマン派のロベルト・シューマンの作品、そしてマックス・レーガーの有名な作品「B-A-C-Hの名による幻想曲とフーガ」で幕を閉じる。

 アンコールVol.2は2020年2月22日(土)に開催され、京都出身の小糸恵が登場する。

 

アルフィート・ガスト

オルガンフェスティバル「オルガンの未来へ」
バッハ・オルガン作品演奏会 アンコール Vol.1 アルフィート・ガスト
【日時】8月29日(木)18:30開場/19:00開演

【演奏曲目】
J.S.バッハ:《クラヴィーア練習曲集 第3部》より
        プレリュード 変ホ長調 BWV552/1
        キリエ、とこしえの父なる神よ BWV669
        キリストよ、世の人のすべての慰め BWV670
        キリエ、聖霊なる神よ BWV671
        いと高きところでは神にのみ栄光あれ BWV675
        いと高きところでは神にのみ栄光あれ BWV676
        いと高きところでは神にのみ栄光あれ BWV677
        フーガ BWV552/2
西村 朗:オルガンのための前奏曲「焔の幻影」(1996)
R.シューマン:ペダル・ピアノのための6つの練習曲”カノン形式の作品”op.56より
M.レーガー:B-A-C-Hの名による幻想曲とフーガ op.46

【料金】一般4,000円・学生2,000円(発売中)

【問い合わせ】いずみホール チケットセンター ℡06-6944-1188




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