幕末から明治初期にかけて活躍し、商都・大阪の基礎を築いた実業家・五代友厚。その生涯を描いた映画「天外者」が12月11日(金)から全国ロードショー公開となる。7月に30歳で亡くなった三浦春馬さんの最後の主演映画だ。
(C)2020「五代友厚」製作委員会
天外者(てんがらもん)とは、「凄絶な才能の持ち主」という薩摩での褒め言葉。利口で感心な子どもを母親が愛情を込めて「てんがらもん」と呼ぶそう。
物語は江戸末期、ペリー来航に震撼した日本。武士の魂と商人の才を持つ五代は、薩摩藩士から明治政府役人を経て実業家となり、近代日本経済の基礎を構築した。2019年10月に撮影され、五代の盟友となる坂本龍馬を三浦翔平、岩崎弥太郎を西川貴教、五代の生き方を左右する遊女を森川葵が演じた。
大阪完成披露イベントでは、監督・田中光敏とともに3人が登場。
三浦翔平は「春馬とは撮影の間中、何度も連絡を取り合って時間が合えば読み合わせをしました。気持ちを入れるために方言から一度離れて標準語でやりとりして、感じをお互いつかんでから、また方言で合わせたり。春馬の殺陣へのこだわりを撮影する横で見て、芝居への熱い情熱を感じました。僕自身は誰もが知る龍馬を演じることはプレッシャーもあったが、このメンバーのおかげで自分らしい龍馬を演じることができたと思います」と語った。
岩崎弥太郎を演じた西川貴教は少し上を見上げた後に「この作品のスタートを一番頑張った春馬がきっとどこかで見ていて、われわれが勝手に言うことを見てるのは、ものすごい申し訳ない気持ちですが」と前置きした上で「この映画のテーマは“時代を超えて志は未来に生き続ける”。このタイミングでお届けすることに大変な意味とか縁(えにし)を感じずにはいられません。五大らが活躍した大阪でも多くの方に見てほしいです」と話した。
そんな2人をみていた田中監督は「五代は出会った人によって変わっていくというストーリーと同じに、このキャストがみんなで進めてきた映画だなぁと実感します。撮影するワンシーンごとに僕自身も引き込まれていきましたね。春馬はスタッフの立場でも作品をみていて、自分の出番が終わった後も帰らず、“翔平、いいですね”と感想を僕に伝えてくれたり。この作品が世に出るには多くの方に背中を押してもらったので、公開は感無量です」
最後に三浦翔平が「今回お披露目することができて、ホッとしています。幕が開いて全国のみなさんにお届けできるのを楽しみにしています」と呼びかけた。
TOHOシネマズ梅田ほかで上映。詳しくは下記公式サイトから。
「天外者」公式サイト
https://tengaramon-movie.com/