2015年に西宮で旗揚げし、笑いあり涙ありの生命賛歌を毎年のように創作し、テンポの良い関西弁のセリフとオリジナル曲による上方ミュージカルで届けてきた夙川座が11月、大阪で最新作「ザザ ボーヴォワールの永遠の恋人」を披露する。暑かった夏も、夙川公民館などで稽古を重ねてきた。原作・脚本・歌詞は夙川座(声楽家でプロデューサーの浅川文恵さんと座付き作家の伊佐山紫文さんの共同制作)。2019年の「レイチェル・カーソン やめなはれDDT!」、20年の「火の鳥 晶子と鉄幹」に続き、今回も字幕・手話役者付きの公演となる。
「耳の不自由な人たちも楽しめる上方ミュージカルを初めて実施した後で『やめないで、続けて』という声をたくさんいただきました。『既成の物語でないオリジナルの作品に出会う機会は、私たちは本当に少ないから』と。それでこの試みを継続するために、クラウドファンディングを実施しています」と浅川さん。
9/30(金)締め切りのクラウドファンディングの詳細ページはコチラ https://camp-fire.jp/projects/view/591205
ボーヴォワールを演じる浅川さんは「昨年テレビで彼女の著作『老い』が取り上げられ、関心を持ちました」。伊佐山さんは「一世を風靡した彼女の代表作『第二の性』は、最近は書店にも並んでいない。しかし、この本の出版で女性が歴史の表舞台に出てきたことは確か。僕自身もサルトルとの同志的カップルに大きな影響を受けました。最近、生前には出版されなかった早逝した恋人ザザをめぐるボーヴォワールの著作も出版されたので、そこにヒントを得てドタバタ劇にしました」と話す。
物語の第1部の舞台は1929年のパリ。ザザ(藤本裕貴)と若き日のボーヴォワール、サルトル(西村圭市)が愛と生き方に悩んでいる。親に反対されて恋人モーリス(上田祥行)と別れたザザは、偶然知り合った男フォスカ(諏訪部匡司)から不老不死の薬を渡された。その薬はフォスカ自身、遠い昔に謎の二胡弾き(鳴尾牧子)から手に入れたものと同じものだというが……。
第2部はそれから約50年後、晩年のサルトルに近づく毛沢東を信奉するマオイスト(久保三加代、中西優子)、ボーヴォワールの恋人シルヴィ(崎谷千恵)、人気作家サガン(山本千尋)が登場して、風刺に富んだセリフの応酬が続く。そこから大団円の5年後までは怒涛の展開だ。
ピアノと二胡による演奏曲3曲を含む全20曲は白井淳子さんによるオリジナル音楽。演出は樋口友治さんが手掛ける。
【公演案内】
とき 11月19日(土)20日(日)14時開演(13時30分開場)
ところ クレオ大阪中央ホール(大阪メトロ・四天王寺前夕陽ケ丘)
チケット(全席自由) 前売り3,300円、当日3,850円
問い合わせ・予約
夙川座 TEL090・8043・0352、Eメール:shukugawaza@gmail.com
大阪市立男女共同参画センター中央館 TEL06・6770・7200
主催:一般社団法人夙川座
後援:大阪音楽大学同窓会≪幸楽会≫
関西・大阪21世紀協会
日本女性作曲家連盟
公益財団法人 神戸新聞厚生事業団
協力:大阪市立男女共同参画センター中央館
指定管理者:大阪市男女共同参画推進事業体(代表者:大阪市男女いきいき財団)
芦屋ハーモニーライオンズクラブ
助成:公益財団法人 神戸新聞厚生事業団