クラシカルクロスオーバーをコンセプトに活動するボーカルグループ「LE VELVETS」が結成15周年を記念して、オーケストラコンサート「billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023」を4月1日(土)、京都コンサートホール大ホールで開く。
宮原浩暢、佐賀龍彦、日野真一郎、佐藤隆紀の4人で2008年に結成。全員が音楽大学声楽科出身という経歴を持ち、クラシックをベースに、さまざまなジャンルを自在に表現した曲で、独自の世界を築いてきた。テノールとバリトンで構成される歌声は、柔らかく上質で滑らかな生地を意味するグループ名そのままの魅力にあふれ、4人そろって身長180センチ以上というルックスとともに、多くのファンの心をとらえてきた。グループ以外の活動も多彩で、「レ・ミゼラブル」「エリザベート」などのミュージカルをはじめ、活動の場は多岐にわたる。
結成15周年の節目にふさわしく、今回はビルボードクラシックスとのコラボレーションが実現。ビルボードクラシックスは実力派ボーカルと、クラシック音楽界のマエストロが指揮する管弦楽団が共演する企画で、京都では京都フィルハーモニー管弦楽団の中核に特別編成される京都フィル・ビルボードクラシックスオーケストラの演奏に乗せて、オペラアリアをはじめ、メンバーのルーツでもあるクラシックやミュージカルの名曲たちが国内屈指のコンサートホールに響く。
佐賀龍彦(テノール)にとっては、出身地の京都で記念のコンサートを迎えることになる。「京都コンサートホールは何度も出演していますが、地元とあってやはり特別感はありますね。ホールに近い北山エリアには、幼い頃によく訪ねた植物園など思い出もたくさん。フルオーケストラとご一緒できる今回は本当に意味のあるコンサートになります」と期待を寄せる。
佐賀にとって、この2年は大きな試練だった。2021年9月に脳梗塞を発症。前年に見つかった未破裂脳動脈瘤の治療のため受けたカテーテル手術の2日後、目覚めると右手と右足が動かせないことに気づいた。戸惑いながらも2~3週間後にはリハビリをスタート。懸命な努力を経て、昨年7月にナレーションの仕事から活動を再開。9月にはテレビ番組「徹子の部屋」にメンバー4人で出演し、10月にコンサートに復帰した際には、見事な歌声を響かせ、涙する仲間とともに観客を感動で包んだ。
「ファンの方から、よくなりますようにとお手紙をいただき、とても支えになりました。お客さまが待ってくださっていると思うと前を向いてやるしかない。コロナ禍で病室では一人でしたけど、いつもエネルギーをいただいて、頑張ることができました」と振り返る。「歌や音楽に対して新しい感覚が身に付いたと思えば、病気になったことは悪いことばかりでなかった。体も段々と動き、MCでしっかり話せるようにもなりました。時間は物語ってくれる」と新たなチャレンジに意欲を燃やす。
今回のコンサートは、前半はクラシック、後半はミュージカルの曲を中心に構成。長く愛される「LE VELVETS」でおなじみの曲のもちろん、カンツォーネ、オペラアリアなどバラエティー豊か。フルオーケストラをバックに歌うソロなど、初めての趣向も盛り込まれ、15周年ならではのスペシャルなステージが注目だ。
佐賀とともに大阪での取材会に出席した佐藤隆紀(テノール)は「フルオーケストラをバックに壮大なイメージを持って歌えるのが今から楽しみです。佐賀さんも戻ってきて、4人で歌えるのは幸せ。ゴージャスな雰囲気をぜひ楽しんでいただきたい」と意気込む。「15年歩いてきた僕たちのスタイルが確実に出るコンサート。クラシックからミュージカルまで、いろんな表現が楽しめるので、ぜひいらしてください」と佐賀。15周年記念コンサートは新たな歴史が始まる場となりそうだ。
S席12,800円(残席僅少)、A席9,800円(税込み)ほか。未就学児入場不可。問い合わせは電話0570・200・888、キョードーインフォメーションへ(11~18時、日祝休業)。