高校生5人も舞台に立つ「朗読劇『この子たちの夏 1945・ヒロシマ ナガサキ』」7月9日(日)上演

旺なつき、かとうかず子、根岸季衣らとともに
宝塚北高校の生徒5人が劇中の朗読を担当

1985年に初演された「この子たちの夏」は朗読劇。本作は、1945年8月、広島・長崎で原子爆弾にあった子どもたち、それを看取った母、看取ることの出来なかった母たちの残した手記・詩歌などを6人の女優と、5人の地元参加者が読む朗読劇です。

今回、7月9日(日)に兵庫県立芸術文化センターの舞台に立つのは兵庫県立宝塚北高等学校の生徒5人。
6月23日の稽古を取材しました。

左から、西岡環希さん、佐藤花笑さん、釘宮結衣子さん、白木萌理さん
※前田果穂さんはこの日の稽古は欠席

稽古は初日でした。
指導する石井先生から「1人1人、まずは自分の思うように読んでください」と声がかかりました。

少し、緊張した様子で白木さんが短歌を読み上げます。
「区切る部分を変えてみようか」「少しゆっくりめにやってみよう」

生徒たちも段々と落ち着きを取り戻し、自信をもって声が出て、遠くまで響いてくるように。

「釘宮さんの声は普段、もう少し、高いのかな。内容に合わせて低くしたのだと思うけれど、普段の声でもやってみて」「うん、前半はそういう感じがいい」


生徒それぞれの個性のある声を生かしつつも、短歌や俳句に刻まれた思いを伝えるための指導が続きました。

それぞれの舞台に立つ思いを聞きました

4人とも小学校の修学旅行等で広島を訪れていて、その訪問がこの舞台に立つきっかけの一つになっているそうです。

西岡環希さん
「読むのもしんどい言葉が多く、グッときてしまうこともあります。でもその気持ちの高ぶりを乗り越えて静かに語ることを心掛けています。戦争や原爆のことを伝え続けていかなければという思いが、ずっと使命のように感じてきたのでよい機会をいただけました」

佐藤花笑さん
「舞台に立つことを決めたあとにも、少し迷いがありました。けれど、母に報告した時に〝観に行くよ!〟と言ってくれたことが大きな励みになっています。この朗読劇は母と子の物語です。当事者の方の思いや情景までも、しっかりと届けたいと思います」

釘宮結衣子さん
「私の祖父母は長崎に住んでいます。舞台に立つことが決まって、最初に報告したのは祖父母です。また、広島で原爆の体験を話してくださった方に私は〝ありがとう〟という言葉しか、言えませんでした。この舞台に立つことで〝私たちが伝え続けます〟という気持ちをその方に届けられるかなと感じています」

白木萌理さん
「短歌や俳句なので、とても短い言葉をどんな声にしたらよいか、難しさを感じています。読み込むこと、何度も声に出して観客の皆さんに伝わるか考えること。今日の稽古で少しですがわかった気がします。いのちの尊さや生きたかったという気持ちが、精一杯、伝わるように稽古をしたいと改めて思いました」

戦争・原爆反対を声高に訴えるのではなく、無常にも引き裂かれた母子の、母を慕う子どもの心、子を想う母の気持ちがつづられる本作。彼女たち5人の声と気持ちによって、一層に、観客に当事者たちの言葉がストレートに届き、多くの人の心に「戦争とは、原爆とは」を投げかけられるお芝居になると感じました。

■チケット情報

[構成・演出]木村光一
[演出補]シライケイタ
[出演]旺なつき / かとうかず子 / 島田歌穂 / 床嶋佳子 / 西山水木 / 根岸季衣 ほか

2023年7月9日(日) 15:00 開演
会場/兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
料金/一般 3,000円、U-25 1,000円

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カテゴリ: エンタメ