“食いだおれ”は大阪・ミナミの印象が強いですが、梅田(キタ)にある百貨店や商業施設も“食”を切り札にした集客強化に乗り出し、ターミナルに新しい活気を生み出しています。6月1日(金)に第Ⅰ期棟が先行オープンする阪神梅田本店と、今春フードホールができたルクア大阪、阪急三番街の趣向を探りました。(大和田真理子)
阪神梅田本店
第Ⅰ期棟先行オープン! 立ち食いの聖地も復活
建て替えが進む阪神梅田本店が第Ⅰ期棟の看板に据えるのがズバリ“食の阪神”。旧店の地下で早い・安い・うまいと親しまれた「スナックパーク」が3年ぶりに復活する。おなじみのいか焼きなど以前からの人気店に、「カドヤ食堂」 「立ち喰い魚 ふじ屋」 「魚がし日本一」 「天ぷらの山」などが加わり、13店舗がオープン。ビールやワイン、地酒、焼酎など酒も新たに提供(平日15時~、土日祝10時~)し、仕事帰りや休日の昼飲み需要の取り込みを狙う。
1階にできる食パンセレクトショップも目玉だ。専門店やブーランジェリーを中心に約30のベーカリーの中から、日替わりで常時約15種類が並ぶ。金額も200円~800円台(1~2斤)と幅が広い。毎朝食べる食パンを基軸に据えることで、“非日常”だけではない品ぞろえで、自然と週に何度も百貨店へ足を運んでもらう作戦だ。バイヤーの辻畑芳光さんは、「阪神らしく“日常使いの食”を提供していきます。毎朝が楽しみになるお気に入りを見つけてください」と話す。どちらも6月1日(金)オープン。
ルクアフードホール&ウメダフードホール
こだわりの新業態が続々登場 駅直結で終電を気にせず楽しめる
JR大阪駅のルクア大阪地下2階には「ルクアフードホール」、阪急梅田駅の阪急三番街北館地下2階には「ウメダフードホール」がこの春お目見えした。それぞれ駅直結という好立地を生かし、新スポットとして連日多くの人が訪れている。
「ルクアフードホール」で話題を集めているのが、阪急オアシスの新業態「キッチン&マーケット」だ。生鮮食品、総菜、イタリア食材、スイーツなどがコーナー別に所狭しと積まれ、食材を買うだけでなく、旬の食材も楽しめるダイニングスペースも併設。生本マグロの解体ショーや屋内バーベキューなど娯楽性にも力を入れ、家族連れや観光客の増加も図る。
一方「ウメダフードホール」は全国・関西初を含む18店がそろった。しっかり食べたいときは「スタミナフードゾーン」、ササっとランチには「お手軽ゾーン」、女子会におすすめの「美食ゾーン」と、客層や目的別の5ゾーンに分け、約千席もある共用スペースに好きなものを持ち寄って食べる。高級感もあって、女性に好評だ。
どちらのフードホールも23時まで営業。終電を気にせず満喫でき、その日の気分や予定に合わせて利用できるように趣向を凝らしている。