森林浴気分でメーカーズマーク×アールグレイのハイボール
【グリーンハウス ヴァルト】神戸市･三宮
亜熱帯の森を思わせる人気のカフェ、グリーンハウスシルバの姉妹店がフラワーロードの西側にオープンした。シルバ同様自然をテーマにしたハイセンスな店内は、3フロアそれぞれに雰囲気が異なり、昼夜を通して食事とアルコールが楽しめる。
森をイメージした1階は中央に一本の通路があり、その両側に客席を配置し、木が植えられている。この木が成長するとトンネルのようになる計算で、土の下を空気の層が循環し、自動散水、閉店後は植物育成ライトを点灯する。店じゅうの植物を照らすこのライトが怪しげな紫色のため、近所の人は何の店かといぶかったとか。ゆるやかな勾配の通路は、まさに森の小道。所々にあるスポットライトが木漏れ日のように色鮮やかな花を照らす。
洞窟をイメージした黒い階段を2階へ上ると、高低差をつけたスキップフロア。座る場所によって目線が変わるのがなんだか楽しい。目新しいところで漬込みハイボールのアールグレイを注文した。ケンタッキーの蒸溜所、メーカーズマークで作られた美味しいウイスキーにベルガモットオレンジの香りが芳しい。次はアップルシナモンと、次々に違う風味を試したくなって、ちょっと危険かも。
「好きな肉を選んでください」と、トレイにのって出てきたのはA5ランクの飛騨牛。真空パックされた肉に部位とグラム数、値段が書いてある。岐阜県にある肉の名店「みどりや」から取り寄せるもので、みどりやとグリーンハウス、緑つながりで社長同士が意気投合し、ヴァルトのオープンに合わせてメニューに加わった。やわらかい肉質と甘みがたまらない。
キッチンには大きなピザ窯があり、1度に8枚ものピザが焼ける。ホウレンソウペースト、サラミ、リコッタチーズ、燻製水牛モッツァレラがのったピザ・ブラッチョをいただくと、具はもちろんだが、薄いピザ生地が香ばしくておいしい。聞けば、北海道からスカウトしてきた職人さんが作っているそうだ。
もう15年以上前、社長の佐伯祐季さんが一番はじめにプロデュースしたグリーンハウスは、木造の大きな倉庫をリノベーションした店だった。磯上通にできたレトロな雰囲気のカフェは、あっというまに若い女性を虜にした。倉庫の建て替えのために移転したグリーンハウスアクア、三ノ宮駅の北側にオープンしたグリーンハウスシルバも元は古いビル。ヴァルトも、20年以上放ってあったビルを電気、水道、ガス、すべて入れ替えて、随所に「緑・炎・光」をテーマにしたグリーンハウスらしい演出が仕掛けられている。訪れたのは肌寒い日で、ストーブの温もりにほっとした。1階から3階までの窓がフルオープンになる春はまた違う心地よさが感じられそうだ。席数も多いので、友人たちと休日の飲み会を計画しようと思う。
◆ MENU (税別)
漬込みハイボール 740円～
(アールグレイ･アップルシナモン･レモンライム･バインオレンジ)
特選飛騨牛Ａ５ステーキ 3,333円～/100ｇ
ピザ・ブラッチョ 1,950円
◆ Data
グリーンハウス ヴァルト
電話：078-322-3377
住所：兵庫県神戸市中央区加納町4-10-30 神戸大隆ビル 1F～3F
営業：11：00～24：00(フードLO.23：00、ドリンクLO.23：30)
休み：なし
◆ Writing / 松田きこ
（株）ウエストプラン代表。兵庫県西宮市在住。食・観光・人物取材に日本中を飛び回る。ライター歴20年以上。編著書「神戸・阪神間 おいしい酒場」「くるり西宮・芦屋・東灘・灘」「くるり丹波・篠山」他
http://www.west-plan.com/