神戸のビストロでカルパッチョと純米大吟醸
【ビストロ.スミモト】神戸・三宮
飲み仲間のシェフたちと、ちょっと高級なホテルでコース料理を食べたあと、二件目にと連れられたのが下山手通の「ビストロ.スミモト」だった。おなかがいっぱいだったので、軽めのサラダとパテドカンパーニュにしたのだけど、これが美味しかったこと!野菜は神戸市西区の大村農園の有機のもの、ジビエは但馬から、魚介類も選りすぐりのものだと聞いて、納得。おすすめのワインと共に、贅沢な二次会を過ごし、今度はしっかり食べようと店をあとにしたのだった。
オーナーシェフの住本卓巳さんは、神戸の有名ホテルで13年、町のレストランでの13年を経て独立した。パテドカンパーニュは、鶏の白レバーをピューレにして、豚ミンチと半々の割合で混ぜこみ、濃厚な旨みを際立たせる。コンフィにした玉ネギとニンニクで甘みを加えてまろやかに。そして、食べるときに、パンチのあるディジョンマスタードと旨みがあるゲラント塩をふりかける。ワインは、ホテル時代からの友人のソムリエが、自ら住本さんの料理を食べて合わせているので、私はもっぱらお任せにしている。
もう一つのおすすめは、刺身風のカルパッチョ。住本さんは一時期、勉強になるからと神戸の中央市場で働いた。そのとき知り合った目利きの卸を毎日訪ねて仕入れるのだ。ブリ、ハリイカ、タイ、サワラ、ヨコワ、プリプリの新鮮な魚を、赤ワインビネガー、梅干と塩昆布、2種類のソースでいただく。「この料理にはぜひ日本酒を。暦のうえでは春ですから、春のイメージで」とシェフにすすめられて、栃木の純米大吟醸「想誉」。メロンのような、さわやかな甘い香りだ。日本酒はボトルが切れたら違うものが入るので、行くたびに違うものが飲めるかも。
たくさん飲んだあとのデザートは遠慮することが多いけれど、ここのバスクチーズケーキは完全に別腹。グルテンフリーで、入っているのは、チーズ、玉子、砂糖のみ。高温で短時間で焼き上げるので、外はこんがりカリッと、中はクリームのようにとろりとしているのだ。ニュージーランドのクリームチーズのコク深さがたまらない。つい、もう一杯ワインがほしくなる。プレーン、抹茶、ノワール(竹炭)の3種類があって、ホールでお土産に持ち帰るのもいい。
◆ MENU(税込)
パテドカンパーニュ 930円
カルパッチョ盛り合わせ 2,000円
バスクチーズケーキ(ホール) 2,000円
ハッピーアワーは生ビール290円+一品で 500円
◆ Data
ビストロ.スミモト
電話:078-777-6028
住所:神戸市中央区下山手通2-13-19 シルバービル1階北
営業:ランチ11:30〜14:00、ディナー15:00〜22:00(ハッピーアワー15:00〜17:30)
休み:水曜
◆ Writing / 松田きこ
(株)ウエストプラン代表。兵庫県西宮市在住。食・観光・人物取材に日本中を飛び回る。ライター歴20年以上。編著書「神戸・阪神間 おいしい酒場」「くるり西宮・芦屋・東灘・灘」「くるり丹波・篠山」他
http://www.west-plan.com/
◆ Photographer / 草田康博