ひとり旅の夜は、淡路ビーフのトマトすきやきに古酒

関西・オンナの美酒佳肴

 【グランシャリオ北斗七星135°】兵庫・淡路 

関西から行く近場のリゾート淡路島。普段は仕事でも遊びでも日帰りだが、たまにはゆっくりするのもいいかと泊まりにした。宿は明石海峡大橋を渡って淡路ICからすぐの場所にある、ニジゲンノモリのヴィラ、グランシャリオ北斗七星135°。神戸出身の著名なシェフ、山下春幸シェフが監修した料理が一番の目的だ。

グランシャリオ北斗七星135°は、コクーン(繭)と呼ばれるヴィラが23 棟あり、一棟まるごと客室という贅沢な宿。広いテラスで森林浴をしたり、室内のヒノキ風呂でリラックスしたり、のんびりとした時間をすごせる。ディナーは敷地内のレストランで、目当ての「淡路ビーフ山海トマトすき焼きコース」を選んだ。お酒は同じ淡路にある系列の「古酒の舎」のヴィンテージ日本酒。日本酒は新酒のほうを選びがちだけど、あえて古酒というのも面白くて、三種の利き酒セットをオーダーした。

最初の料理は、桜鱒燻製最中(さくらますくんせいもなか)。淡路の特産品、桜鱒のスモークの香りのあとに、リンゴの酸味とほのかにクリームチーズの味。シャリっとした食感はイブリガッコと聞くとなるほどこちらも燻製だ。この香りに「2010龍力」のふくよかな甘味がよく合う。2品目の昼網の鯛のカルパッチョも、そのまま龍力で。昼の漁で上がった新鮮な魚をすぐに食べられるのは、漁港に近い町ならでは。

淡路の名物、穴子の蒸し物はトリュフ風味で。「2006梅錦」は、あと味に酸味が残ってすっときれる。地鶏に天然真鯛、穴子の素材の味を生かしたフランもこのまま「2006梅錦」で。いつしか始まったバイオリンの生演奏はジブリの曲で、窓の外に見える霧の景色が神隠しの世界のように見えて、ずいぶん遠くに来たような気になれた。

そしていよいよ、メインの淡路ビーフ山海トマトすき焼き。
「昆布だしとトマトはよく合うんです」と説明を受けて、ココットをのぞくと玉ねぎをはじめ、地元産の野菜がたっぷりと入っていた。鍋が煮えるまでの間、ワゴンの上で淡路ビーフをバターで焼いてくれる。淡路の牛約1万5千頭のうち年間約150頭しかないという淡路ビーフは、やわらかくて旨みがあって、あっさりとしている。

そしていよいよ鍋に淡路ビーフが入る。さっと煮えたら、甘めのタレで味わう。島内の「由良でとれたウニをのせて」と言われたが、希少な由良の、それもとれたてのウニならそのまま食べたい、と口に入れると、磯香ととろける時の旨みがたまらない。肉にものせてみたけれど、やっぱりもったいなくて、ほぼそのままウニだけで食べてしまった。

肉のおいしさにお酒を忘れるところだったが、ここで「2009梅酒 文蔵」を。深みのある濃厚な味だが、その甘みが肉によく合う。
一旦ごはんはいらないと言ったものの、淡路島で生産された鮎原米の白米と玄米を選べるとあって、「やっぱりください」となるのは仕方ないこと。玄米ごはんと淡路ビーフ、幸せな〆となった。

 



◆ MENU(税込)

料金は1泊2食付 1人45,980円~(税サ込)
三種の利き酒セット1,500円


◆ Data

グランシャリオ北斗七星135°
電話:0799-64-7090
住所:兵庫県淡路市楠本2425-2

◆ Writing / 松田きこ(ウエストプラン)
http://www.west-plan.com/

 

※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため対策した上で取材・撮影しています。
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