逃げ場なし! 密室&暗闇の観覧車で「最恐体験」 

EXPOCITY(大阪府吹田市)にある高さ日本一の大観覧車「オオサカホイール」では、9月30日(水)まで期間限定のイベント「地獄のゾンビ観覧車」を開催している。特別仕様のゴンドラに乗り込み、1周18分の間に「密室」で襲い掛かる様々な「最恐」演出を体感できる。酷暑が続く中、背筋が凍るほどの涼しさを味わおうと、記者が体験してきた。

EXPOCITYのランドマーク「オオサカホイール」

2016年に開業してすぐ、家族と「オオサカホイール」に乗ったことがある。太陽の塔からそのはるか向こうまで見渡せる123㍍の大パノラマと、この観覧車の特徴であるシースルーの床面からの開放感を味わい、子供も喜んでくれた。

異彩を放つ特別仕様ゴンドラは4台が設置されている

しかしいま目の前に現れたのは、真っ黒にラッピングされたゴンドラ。他と比べても明らかに異彩を放っている。乗り込んで扉を閉められると、完全な暗闇が訪れる。窓はおろか床面まで黒くふさがれ、外がまったく見えない。天井からはクモの巣が垂れ下がる装飾も。早くも少しだけ怖い。家族団らんを過ごしたあの時と同じ空間とはとても思えない。しかし乗ったが最後、逃げられないという当たり前の事実に気づく。これから始まる「最恐」の18分間に、身をゆだねるほかはない。

 

ヘッドホンを装着すると、プロジェクション映像で少女の悲しげな姿が映し出される。カナと名乗る少女は「ある願いをかなえようと以前この観覧車に乗ったら、そのまま別の世界に引き込まれてしまった」「観覧車が一周する間にできるだけ高い所で呪文を唱えて、私を元の世界に戻してほしい」と懇願する。

妖しげに映し出される少女・カナ

しかしそんな切実な願いとは裏腹に、密室のゴンドラで、不可解な事象が次々と襲い掛かる。観覧車が回り始めて数分。おそらく上空にいるはずなのに、ゾンビたちが窓に張り付き、突き破らんばかりの勢いでわが身を狙っている。物語の世界に引き込まれるというよりも、いつの間にか「巻き込まれて」いると感じるのは、「密室」「暗闇」「自分が今どこにいるかわからない」という、不安をかきたてる非日常の設定があるからだろう。とりわけゾンビに襲い掛かられるたびに演出で振動するシートと、ゴンドラ自体の自然な揺れは、「最恐」だった。

ヘッドホンからの呻き声と共に、ゾンビが襲い掛かる

8月1日の開始以来、4000人以上が乗車しているイベントは、最新のテクノロジーで恐怖を演出する「株式会社闇」(東京都目黒区)がプロデュース。参加者の行動によってストーリーが分岐し、「TRUE END」「BAD END」のどちらかが待っている。ホラーが苦手な人のために、8月15日からは急きょ「恐くないバージョン」も追加された(乗車時の申し出で切り替え対応)。ゴンドラの中は常に換気を行うなど、新型コロナウイルスの感染防止対策が行き届いている。極上の景色と引き換えに、最上級の恐怖を体験できる「最恐観覧車」。ぜひ味わってみては。

乗車の際、手の甲に「厄除けスタンプ」が押される。実は物語の重要なキーのひとつ

■料金:企画専用チケット1人1500円(通常乗車料1000円+500円)

■問い合わせ http://osaka-wheel.com/zombie/




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