11月11日は「介護の日」――。10年前に厚生労働省が「介護について理解と認識を深めてほしい」と決めた日だ。働く女性の人権センター いこ☆る(大阪市)は11月11日(日)に、大阪・天満橋のドーンセンターで「在宅介護の現実~介護する人からのメッセージ~」を開く。時間は13時30分~16時。
講師は、一般社団法人和音ねっと代表理事でホームヘルパーの櫻庭葉子さん。和音ねっとは、利用者が住み慣れた地域で自分らしく暮らせることを目指し、京都市内で居宅介護支援やヘルパーステージョンなどを手掛ける介護保険事業者だ。
主催する「いこ☆る」の担当者は「『介護の社会化』を掲げて2000年4月に介護保険制度がスタートして18年。1年間に介護離職する人は約10万人もいます(下欄コラム参照)。いま在宅介護を担う現場ではどんなことが起こっているのか? ヘルパーとして在宅介護の現実を日々感じながら働く櫻庭さんのお話をご一緒に聞いて、介護を身近に考えてみませんか」と呼び掛けている。
参加費は一般800円、会員500円。定員50人(先着順・事前申し込み不要)。
【問い合わせ】働く女性の人権センター いこ☆る http://icoru.ever.jp/
大阪市北区天神橋2丁目5-3 第5新興ビル202号 女性会議大阪 気付
TEL:06・6948・6300 FAX:06・6352・3704 Eメール:info@icoru.ever.jp
介護離職が他人事ではない理由とは 介護を理由に離職する人は年間約10万人。総務庁統計局が今年7月に発表した「就業構造基本調査」では、過去1年間(2016年10月~17年9月)に「介護・看護のため」に前職を離職した人は9万9千人。5年前の前回調査10万1千人からほぼ横ばいだが離職者全体に占める割合は0.1ポイント増の1.8%となっている。離職者の男女比では、男性の離職者は前回の19.7%から24.2%に増加。相変わらず女性離職者が4分の3以上を占めるものの、じわじわと男性が増えている。 こうした状況について、認知症の母を介護中の尼崎市のNさんは「私は自営業なので細々とでも仕事を続けられているが、会社勤めの人には難しいのではないか」と話す。そして、その理由の一つに「介護保険や障害福祉、高齢者医療保険など一つひとつの申請手続きに必要な書類をそろえるためには、平日の昼間に動かなければならないし、手間がかかる」ことを挙げる。 「銀行に行き、郵便局に行き、年金事務所に行き、市役所に行き、かつて母が住んでいた町の役所と年金事務所に行き、病院に行く。これらのすべての機関で、担当部署を訪ね、番号を受け取って待ち、場合によっては、ようやく自分の番が来ても別の部署へと促され、次々にたらい回しにされる。時には忘れた書類や足らない書類を取りに自宅に戻ることもある。ひとつの申請にかかる手間の煩雑さは、やってみないとわからない。それが病気の状態や進行に合わせてサービスの内容が変化するから、手続き申請の実務は、介護のあいだ延々とついてまわることになる」と話している。 |