楽しく続ける健康習慣
暖かくなって、動きやすくなる春。体や脳を鍛える健康習慣を始めてみませんか? 医学的根拠に基づく先進的なジムと、60歳以上限定のeスポーツ施設を紹介します。無理なく、楽しく運動や脳トレが続けられると、中高年の人気を集めています。 (三田由美)
大阪大学大学院医学系研究科と連携
安心して効果的にトレーニング
ビタレーザラボ(吹田市)
衛生用品メーカーのサラヤ株式会社が運営する「ビタレーザラボ」は、吹田市の大阪大学グローバルビレッジ津雲台に昨年3月にオープンした。大阪大学大学院医学系研究科と共同研究するメディカルフィットネスクラブとして、健康増進と生活の質向上を通して、地域の活性化にも役立とうとしている。
担当スタッフは、「ただ運動するだけのジムではなく、トレーナーが会員を深く知り、寄り添って伴走するイメージ。ここに来るのが生きがい、と言ってくださる方もいます」と話す。カウンセリングで普段の生活や体の状態、目的を丁寧に聞き取り、一人一人に合ったトレーニングプログラムをオーダーメイドで作成。初めはトレーナーがマンツーマンで正しい体の動かし方やトレーニングの仕方を指導し、体の変化に応じて運動プログラムを変えていく。
また、ビレッジ内にある整形外科との連携や理学療法士のサポートもあり、持病がある人でも、安心して運動に取り組めるのも特色だ。併設のカフェではヘルシーなメニューも提供する。会員は50~60代の女性が多い。オープン時から通う女性(75)は、「普通のジムだと、つい楽な運動に偏ってしまうけど、ここは自分の体に必要で効果的なメニューを作ってくれる。体力もついて趣味の山登りもスイスイ。何よりトレーナーとの会話が楽しい」と元気に話す。
話題のeスポーツで刺激的な毎日を
神戸に「60歳以上限定」の拠点
ISR e-Sports(神戸市中央区)
オンラインの対戦型ゲームで競うeスポーツ。若者を中心に人気が高まり、五輪の新種目を目指す動きもあるeスポーツが、認知症予防や脳トレにいいと中高年層にも浸透している。
JR神戸駅からほど近い「ISR e-Sports」は、60歳以上限定のeスポーツ施設。人材紹介業などを手がける梨本浩士さんが、定年退職後のシニア世代の生きがいやコミュニケーションの場を作ろうと、2020年に開設した。
会員140人のうち、9割が60~70代の女性。アクションパズルゲーム「ぷよぷよ」が人気で、高得点者は「横綱」「大関」とホワイトボードの番付表に掲示されるので、それを塗り替えようと、スコアを競い合っている。また、一人でじっくり数字パズルゲームなどを楽しむこともできる。
ゲームは1回90分。ゲームの後には30分のティータイムがある。「健康的に楽しんでほしいので、ここではあえて1日90分と決め、談笑する時間を大切にしています」と梨本さんは話す。1年半前から通っている神戸市中央区の井出直美さん(66)は、「画面が大きく、携帯電話より迫力があっていい。みんなで対戦できるから刺激があり、新しいお友達もできて楽しいですね」と話す。