カンヌ国際映画賞で最高賞となるパルムドールを21年ぶりに受賞した映画「万引き家族」の主演女優・安藤サクラ(32)が、4日(月)、NHKホールリハーサル室でカンヌ帰国した後で初めて記者会見した。受賞の瞬間のエピソードや今作への特別な思いを語った。
受賞式の時には、一人先に帰国していた安藤。受賞式をインターネットのライブ映像で見届けようしたが、「見ている途中で寝てしまって。その後で共演者のリリーさんからメールが来ていて、寝起きのフワフワした感じで受賞を知りました」と笑う。
映画は貧しい生活を続ける一家が足りない生活品を万引きで賄う日々を描いた人間ドラマ。さまざまな家族の形を描いてきた是枝裕和の長編14作目となる。万引きに手を染める家族の姿を通して、「人のつながりとは何か」を観客に問いかける。
「撮影現場ではつねに監督が寄り添ってくださり、まるで本物の家族のような特別な時間を過ごしました。この家族の温もりは私の中に残っていて、今でもみんなのことが愛おしくて『元気かな』『会いたいな』と思いますね。そのうえ、こんな賞まで受賞してしまって、まるでおつりをもらったような気分です。みんなと一緒に喜びを共有でき、その中に自分も入れていただいたことが本当にうれしい」と話す。
映画で母親役を演じた安藤は、是枝監督の作品には今回が初の出演となる。産後初めての撮影でもあったが、ブランクを全く感じさせず、「泣きの演技」はカンヌの審査員に絶賛された。ケイト・ブランシェットやレア・セドゥら審査員を務めた有名女優に、「今後同じ演技をしていたら、安藤さんを真似したと思ってください」とまで言わせた。
記者会見を「みんなで一緒に監督を祝福しましょう! 万引き家族をよろしくお願いします」と茶目っ気たっぷりに締めた。
「万引き家族」は6月8日(金)よりTOHOシネマズ 梅田ほか全国にてロードショー。