神戸市が詰め替えパックの水平リサイクル   市が企業16社と協働し今月スタート

神戸市と小売・日用品メーカー、リサイクラー(再資源化事業者)16社が協働し、全国に先駆けて、洗剤やシャンプーなどの詰め替えパックの「水平リサイクル」プロジェクトを10月1日から開始した。

9月29日に行われた記者会見のもよう

水平リサイクルとは、使用済み製品を回収し、再び同じ製品として再生し使用すること。

ペットボトルのリサイクルがその成功例だ。詰め替えパックは、プラスチック使用量削減に大きく貢献しているものの、光や空気、湿度を防ぐ、薄い多層構造のフィルムで作られているため、水平リサイクルは難しいとされてきた。

来年4月に、プラスチック回収・リサイクルにおいて自治体と企業などの連携による自主的な取り組みが柱の一つとなる「プラスチック資源循環促進法」が施行される。今回のプロジェクトは、施行に先駆けて、神戸市が主体となり、製造・販売・回収・再生に関わる複数の企業が競合関係の垣根を越えて協働し、つめかえパックの水平リサイクルを目指す全国初の取り組みとなる。

ダイエー神戸三宮店に設置された回収ボックス

回収対象は、洗剤・シャンプー・台所や住まいのお手入れ製品など日用品の詰め替えパックで、メーカーは問わない。消費者は使い終わった詰め替えパックを洗って乾かし、ダイエー、光洋、コープこうべ、ウエルシア薬局の市内75店舗に設置された専用回収ボックスへ持参する。回収に協力するとパック1枚につき、神戸市公式アプリ「イイことぐるぐる」ポイントが50ポイント(5円相当)が付与される。

集まった詰め替えパックは、いったんリサイクルセンターに集約される。その後、プロジェクトに参画している日用品メーカー10社が共同で、リサイクルを試験し、課題や技術を共有して、23年までに水平リサイクルの実現を目指す。

9月29日に行われた記者会見で、久元喜造神戸市長は、「海洋プラスチックごみの削減は世界的に重要な課題。神戸は国際港湾都市であり海洋都市なので、真正面から向き合うべき問題です。今回のプロジェクトは一つの大きな実験。ぜひ成功させて、神戸から水平リサイクルのモデルを構築できれば」と意気込んでいた。

 

 

 




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