「箕面四季彩もみじ号」と「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」
北大阪急行電鉄は今年度末に予定する千里中央から箕面萱野までの延伸線開業を前に、開業に向けて増備した3編成の列車をこのほど報道公開した。
装備列車は3編成ともに、延伸で新たに北急沿線に加わる箕面市の魅力を発信する「箕面ラッピングトレイン」としてデビュー。3編成のうち、2編成は箕面大滝や紅葉を基調としたデザインを、1編成は箕面市のPRキャラクター「滝ノ道ゆずる」と「モミジーヌ」のデザインを施した。報道公開に合わせて、6月に市民から募集した両デザインのラッピングトレインの愛称も発表。総計1145件の応募の中から、2編成は箕面市の松岡珠恵さんが名付けた「箕面四季彩もみじ号」、1編成は同市の寺内あかりちゃんが名付けた「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」に決まった。
「大好きなまちをPR」 名付け親や市長も参加
桃山台車庫に並んだ2種類のラッピングトレインは、箕面らしい紅葉色とPRキャラクターにちなんだユズの黄色が、真新しい車体と夏の青空に映えてとても鮮やかな印象。愛称表彰式には箕面市の上島一彦市長、北大阪急行電鉄の岩元仁常務取締役が参加し、ラッピングトレインを命名した2名に表彰状と記念品が贈られた。松岡さんは「箕面は一年中魅力があり、とても暮らしやすい。大好きな箕面のまちのPRに関わることができてうれしい」と声を弾ませて挨拶。寺内あかりちゃんは家族と一緒に式に加わり、北急の制帽をかぶって終始笑顔を見せていた。
上島市長は「北急の延伸開業は半世紀以上にわたって市民が切望してきたプロジェクトで、大きなインパクトがあります。ラッピングトレインは観光面だけでなく、住みやすさ日本一をめざす箕面の良さを多くの人に知ってもらうきっかけになるでしょう」と期待を述べた。北急の岩元常務は「1970年大阪万博の際に開業した当社は、2025年大阪・関西万博を控える来年、箕面市が沿線に加わり、新たな飛躍の時を迎えます。安心・安全に十分に配慮しながら、開業に向けて準備を進めていきたい」と話していた。
自然とキャラクターを美しくダイナミックに
表彰式に続いて、ラッピングトレインの内外が公開された。この日公開された2編成はどちらも、なかもず方面と千里中央方面の各2両ずつがラッピング。「箕面四季彩もみじ号」は日本の滝百選にも選ばれている箕面大滝の紅葉がひときわ目を引くデザインで、勝尾寺、橋本亭など市内の観光名所が、秋、冬、春、夏の順に四季の移ろいとともに鮮やかなグラデーションで描かれている。一つの絵巻物を見るようでとても美しい。
「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」はユーモアと迫力が満点。なかもず方面に「滝ノ道ゆずる」、千里中央方面に「モミジーヌ」が仲良くお目見えし、ドアを覆うように車両の高さいっぱいにイラストがダイナミックに描かれ、とてもインパクトがある。市章とともに「箕面」「MINOH」の文字も大きく表示され、全国屈指の利用者を誇る大阪メトロ御堂筋線にも乗り入れる北急車両は箕面のPRで大きな力を発揮しそうだ。
車内も趣向がいっぱい 防犯カメラも初設置
車内広告も趣向が凝らされている。中吊りポスターでは「行こお!みのお!」をコンセプトに、箕面の観光やアウトドアスポットを紹介。季節ごとに広告を入れ替えて紹介していく。また、ドア横の額面ポスターでは「住もお!みのお!」をコンセプトに交通利便性が飛躍的に向上する箕面の住みやすさを強調。子育てや教育、緑、地域の安全などにも触れ、良好な住宅都市としての箕面市を発信する。
また装備車両は走行時の騒音、省エネ対策のほか、列車とホームの段差縮小、車内の車いすスペースの確保などバリアフリー対応も充実。緊急事態発生時に使用する非常用設備の位置や操作方法をわかりやすく表示しているほか、北急として初めてとなる車内防犯カメラを1編成にき20台設置し、安心できる車内環境の整備を図っている。
「箕面ラッピングトレイン」は8月から順次、「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」が1編成、「箕面四季彩もみじ号」が2編成運行される。今年度末に予定する延伸線開業までは千里中央~なかもず(大阪メトロ)間、延伸線開業後は箕面萱野~なかもず間で運行する。